(旅客の携行手荷物の場合、スペアのリチウム電池はどうして預託手荷物は不可で、機内持ち込みとなるのですか?)

Q.
旅客の携行手荷物の場合、DGR 2.3.3.2、DGR 2.3.4.8 (a)、DGR 2.3.5.9.1の何れの場合でも、リチウム電池のスペアは機内持ち込みに限られています。装置や機械に装着されていれば、預託手荷物が許されます。何故でしょうか?  (2011.5.31)
A.
有名メーカーのリチウム電池ならば国連の試験に合格していて品質的に優れていると思って差し支えないでしょうが、インターネットのオークションで購入したり、安い模造品、粗悪品は国連の試験を受けておらず、過充電などで発熱、発火することがあります。

装置・機械に装着されているものは装置・機械そのものの強固な壁の中に収納されていて保護されています。スペアのリチウム電池はせいぜい厚紙の箱に入っているか、むき出しの裸の状態と言うこともあります。保護されていないので、発火した場合、直ぐに他の可燃物に燃え移り、貨物室内に搭載されていては、乗員が気が付く時には火災になっています。客室内にあれば、発火した時、他の可燃物に燃え移る前に乗員が消火にあたれます。

特に、旅客の使用するリチウム電池作動の機器の場合、値段に釣られ、安物の粗悪電池を購入・使用しているケースが多いのです。国連の試験に合格していないリチウム電池は航空輸送禁止となっています。発熱、発火した例が多いのです。リチウム電池は信用の置ける販売店でメーカー物を購入することが肝要です。

[閉じる]


Copyright (C) 2003  Kinoshita Aviation Consultants All rights reserved.