(17SDRを使用しての賠償金額の算出と端数処理の方法)

Q.
クレームの処理に当たり賠償金の支払いの際に17SDRを使用して計算して賠償金額をどのように算出するのか、端数処理の方法も含めて教えて下さい。 (2004.2.11)
A.
SDR の換算方法の正しいやり方は次の式になります。
まず、17SDR の日本円対価を計算します。IMFのウェブサイトで検索しますと、2004年2月9日の1SDRの日本円対価は1SDR = JPY158.641でした。そこで、

17SDR = 17SDR x JPY 158.641 = JPY 2,696.897

JPY 2,696.897は端数処理をして、JPY 2,697となります。
次に損害賠償の対象となっている重量に賠償限度額単価 JPY 2,697を掛けます。
仮に対象重量が543.21 kgであったとすれば、

543.21 kg x JPY 2,697 = JPY 1,465,037.3 = JPY 1,465,037 となります。

最後に総額を、日本円の単位に従った端数処理をします。答は JPY1,465,037です。
考え方は、モントリオール条約第23条第1項の 「この条約において特別引出権で表示する額は、国際通貨基金が定める特別引出権の額をいう。これらの額の各締約国の通貨への換算は、.................」 とあるように、条約が言及しているのは 17SDR の換算であって、実際の損害賠償の総額の事ではありません。従って、先ずは条約で言及している17SDR を JPY に換算するのです。日本国の有効な通貨では JPY 2,696.897 という金額は存在しませんから、先ず、これを JPY 2,697と言う現実に日本国で通用する金額に直します。この金額が条約で規定されている日本国での 1kgに対する損害賠償責任限度額なのです。すべては此処から出発します。

へーグ改正ワルソー条約第22条第5項の 「この条にフランで表示する額は .................それらの額は、各国の通貨の端数のない額に換算することができる。 .........................」も同じ考え方で 、条約で言及しているのは、賠償金の総額ではなく、単価の 250フランス金フランなのです。それを USD20.00と読み替えたり、JPY ........... としたりして計算します。賠償総額をフランで表示して、それを JPYに換算する事はしません。

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