(DGR 4.2 危険物リストに掲載されている「Forbidden 輸送禁止品」の解釈についての質問です。)

Q.
危険物リスト (DGR 4.2) の表に “Forbidden” (輸送禁止品)と記してある物質・物件について質問があります。もし物質名が細字で印刷され、国連番号が空欄で、”G” 欄から”L” 欄まで “Forbidden” (禁止) となっていて、Special Provision” (特別規定) も無いときは、その物質は航空機で輸送出来ないと理解しています。その物質に対して、荷送人はどのようにして、DGR 1.2.5 の “Approval” (認可) をとるべきか、または、DGR 1.2.6 の “Exemption” (免除) をとるべきか、判断するのでしょうか?

例を挙げれば:
①Acrylic acid, unstabilized は細字で掲載され、国連番号は空欄、特別規定も割り当てられていません。この物質はいかなる条件下でも輸送禁止と理解しています。どうすれば、輸送できますか?
② UN1541 Acetone cyanohydrim, stabilized は太字で表示され、国連番号を持ち、特別規定が割り当てられています。
③ 1,3,2-Benzodiaxaborole は細字で表示され、国連番号は空欄ですが、特別規定が割り当てられています。

② と ③ の物質を荷送人が航空輸送したい場合は、DGR 1.2.6 “Exemption” (免除規定) で関係国政府の許可を得ればよいのですね?

DGR 4.2 の危険物リストに “Forbidden” (禁止) と表示されている物質の輸送に当たって、荷送人はDGR 1.2.5 “Approval” (認可) の手続きをとるべきなのか、DG 1.2.6 “Exemption” (免除) の手続きをとるべきなのか、どのようにして決めるのですか? ご教授願います。 (2019.8.31)
A.
先ず冒頭に、DGR 2.1.1 “Dangerous goods forbidden on aircraft under any circumstances” (如何なる状況下でも航空機での輸送が禁じられている危険物) の項と、それに付随したNotes: 1 を特に理解してください。DGR 4.2 に物質が細字で掲載され、国連番号が空欄で、”Forbidden” (禁止) と明記されている場合は【輸送禁止】なのです。 何らかの認可の道を示した”Special Provision” (特別規定) がない限り、【絶対的な輸送禁止】なのです。
貴方が示した ③ の 1.3.2-Benzodiaxaborole は細字で示され、国連番号が空欄ですが、特別規定 SP A210が割り当てられています。前述の説明のとおり、SP A210の規定により、発地国政府並びに航空会社の所属する国の政府の DGR 1.2.5 “Approval” (認可) を取得すれば、貨物専用機での輸送が認められます。

貴方が示した ② の UN1541 Acetone cyanohydrin, stabilized は太字で掲載され、国連番号を持ち、”Forbidden” (禁止) ですが、特別規定 SP A2 が割り当てられています。SP A2 の効力により、発地国政府と航空会社の所属する国の政府の DGR 1.2.5 “Approval” (認可) を得れば、貨物専用機での輸送が可能になります。

前述のとおり、DGR 4.2 の危険物リストの表示により、例えば、特別規定の条件に従って、荷送人はDGR 1.2.5 “Approval” (認可) の手続きをとるように指示してくれます。 DGR 1.2.6 “Exemption” (免除) の手続きは、災害救援とか緊急の場合、制限量以上の物質を送らなければならないとか、規則を一部変更するとかの場合の手続きです。

荷送人は細字で示されている “Forbidden” (禁止) 物質で、国連番号がなく、特別規定も無い場合は、【絶対的輸送禁止】と理解してください。貴方の ①Acrylic acid, unstabilized がそれに当たります。

[閉じる]


Copyright (C) 2003  Kinoshita Aviation Consultants All rights reserved.