(リチウム金属電池 Section IIのマーキングについての質問です。)

Q.
Section IA, IBでは正式輸送品目名、国連番号、国連規格容器符号 (IAのみ)、正味量、荷送人、荷受人を記載したラベルを外装容器に貼付、Section IIでは同様のラベルの表記することは禁じられているのでしょうか? DGRではSection IA, IBには上記マーキングを行うように記載されていますが、Section IIへのマーキングに関して記載がありません。ご教授ください。 (2018.12.28)
A.
先ず、Section IA, IB, IIを問わず、どのような貨物でも外装容器に記載が必要な事項は、規則書 DGR 7.1.4.1で次のように決まっています。 (a) UNナンバーと正式輸送品目名、(b) 荷送人と荷受人の番地、ビル名まで入っている完全な住所と社名 (もしくは氏名)、(c) 正味量の情報を外装容器の同一面に記載することが義務づけられています。勿論、これらの情報がラベル化されていても構いません。

以下、ラベルの説明に入りますが、許される限り、上記 国連番号や正式輸送品目名の表れている同じ面に必要ラベルを貼付することが必要です。外装容器の異なる面のあちらこちらに貼付されていては、作業上支障が生じます。

次に、リチウム金属電池の単体を輸送するには、旅客機搭載は許されませんので、Section IA, IB, IIのすべてに貨物専用機搭載ラベル (Cargo Aircraft Only label – CAOラベル – DGR 7.4.2 Figure 7.4.B) の貼付が例外なく必要になります。

次にSection IAについては国連規格容器の使用が条件なので、外装容器に国連規格容器の検査を受けて合格している事を証する規格マークがついていなければなりません。これは容器のメーカーが試験を受けて合格したのち、外装容器につけられます。荷送人はこのマークが付いていることを確認する責任があります。Section IBとSection IIには国連規格容器の使用は義務つけられていませんので、国連規格マークはありません。他に、Section IAには危険性を表す第9分類の危険性ラベルのうち、特にリチウム電池用に作られたリチウム電池の図柄が入っているラベル (DGR 7.3.18.2 Figure 7.3.X) の貼付が必要です。リチウム電池の図柄の入っていない第9分類の危険性ラベル (DGR 7.3.18.1 Figure 7.3.W) は2019年からリチウム電池の貨物には使用できません。

次にSection IBについてはFigure 7.4.B (CAOラベル)、Figure 7.3.X (リチウム電池用の第9分類の危険性ラベル (Figure 7.3.X) に加えて、Figure 7.1.C のリチウム電池取扱いマーク (Lithium Battery Mark) の貼付が必要です。DGR 7.1.5.5.1 にこのマークが何に必要か、7.1.5.5.2 にマーク上の書き込みについての指示が記載されています。

最後に、Section IIには Figure 7.4.B (CAOラベル) に加えて、Figure 7.1.C のリチウム電池取扱いマーク (Lithium Battery Mark) の貼付が必要です。

リチウム電池は航空会社にとって関心が高く、神経を使う貨物なので、規則書に書かれている規則をしっかり守ってください。

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