(シリンダーの輸送に関する質問です。)

Q.
(1) 7.2.2.3.2 (b) に “第2分類のシリンダーについて、その形状、天地方向、輸送のための固縛方法により、7.3に規定されているラベルを ISO規格 7225-2005 ‘Gas cylinders – Precautionary labels’ に添って縮小された寸法でそれらシリンダーの円筒形以外の部分 (肩の部分) に表示されることがあっても差し支えない” とあります。DGR上ラベルの最小寸法は100mmとされていますが、ISO 7225-2005のように100mm以下の縮小は可能でしょうか?

(2) シリンダー及び密閉型の超低温液体の容器は、充填される特定の物質に該当する包装基準に規定されている作業圧力、充填率及びその他の規定に従って充填しなければならないとされていますが、作業圧力とは包装基準の表200 Bに記載されてある試験圧力とイコールの意味でしょうか?
 包装基準 200 (b) に:
 4. シリンダーの最低試験圧力
 5. 圧縮ガスのシリンダーの最大作業圧力 (値のない場合は、作業圧力は試験圧力の 2/3を超えてはならない)
とされていますので、別物でしょうか?
4. の「最低試験圧力」とは何を指しているのでしょうか?
また、5. の説明にもある表 200.A (圧縮ガス) には 最大作業圧力の項目自体ありません。何処を参照したらしたら良いでしょうか?

(3) 5.2.0.10 密閉式超低温容器以外の再充填可能なシリンダーは、6.4.1.6及び
包装基準 200または包装基準214に従って定期的に検査をしなければならない。この定期検査期日は表200.A と200.Bに記載の試験期間と言う認識で間違いないでしょうか? 試験期間が10年と記載があれば、10年に1回定期試験を受けると言う意味でしょうか?
また、表200.Bに試験圧力が複数示されているシリンダーがあります。何故ですか?

(4)航空法や高圧ガス法では第2分類は「高圧ガス」と呼ばれています。ICAO/IATAでは単に “Gases”「ガス類」と呼ばれています。呼び方が違って混乱しています。整理をしてください。 (2018.11.30)
A.
(1) 7.2.2.3.2 (b) で寸法規定を例外的に緩やかにしているのです。縮めたマークの使用は可能です。7.2.2.3.2 (b) の条件を満たすことが条件です。
4.の「最低試験圧力」とは、これ以上圧力を高くすると、シリンダーが損傷してしまう限界の試験圧力のことです。

(2) 5.2.0.6 Working Pressure (作業圧力) イコール試験圧力ではありません。作業圧力は試験圧力を上回ってはいけません。作業圧力は個々の作業で異なり、一定ではないので、200.B の表に載せられるものではありません。
PI 200 (b) は「200.Aと200.Bの表は下記を表示している」として
4. シリンダーの最低試験圧力
5. 圧縮ガスのシリンダーの最大作業圧力。但し、値が表示されていない場合、作業圧力は試験圧力の3分の2を超えてはならない。もしくは、液化ガス及び溶解ガスの試験圧力に基づいた最大充填率。
と書いてあります。充填率は 200.Bの表の後ろから2番目の列に表示されています。
と言う次第で、一般的に、作業圧力は試験圧力の3分の2を超してはならないのです。
参考までに Table 6.4.A 国連規格シリンダーの合格マークの2段目の Working Pressure (i) 200 bar と次の Test Pressure (f) 300 bar とあるのを見てください。作業圧力は試験圧力の3分の2に抑えてあります。

(3) 5.2.0.10 そうです、貴方の書いたとおりです。Table 6.4.の国連規格シリンダーの合格マークの3段目の一番後ろにInitial Inspection Date 2017.04と最初の試験合格日が年と月までが表示されています。6.4.2.7.2 (e) に記されているように最初の試験日を表示 (記録) することになっていて、以後、Table 200.A ト200.B のTest Period (years) 欄に表示されている試験期間 (5年とか10年) に従って再試験を受けなければならない仕組みになっています。
表200.Bに試験圧力が複数表示されているのは、シリンダーの異なる大きさに対する試験の基準数値を示しているのです。例えば、UN1022 Chlorotrifluoromethane (Refrigerant Gas R13) の試験は10年に1回、シリンダーの1番小さいものは試験圧力 100 bar 充填率 0.83で試験をし、次の大きさのシリンダーは試験圧力120 bar 充填率0.90、次の大きさのシリンダーは試験圧力190 bar 充填率 1.04、1番大きいシリンダーは試験圧力250 bar 充填率1.11で試験をすると言うことです。

(4) 第2分類は航空法や高圧ガス法では「高圧ガス」、ICAO/IATAでは単に “Gases” 「ガス類」と呼ばれています。第2分類はガスの性質で3種類に分かれます。区分2.1引火性ガス、区分2.2非引火性・非毒性ガスと、区分2.3毒性ガスです。ICAO/IATAでは輸送の場合の呼び方として物理的な形態に従って、Compressed gas (圧縮ガス、もしくは高圧ガス)、Liquefied gas (液化ガス)、Refrigerated liquefied gas (冷凍液化ガス、または、深冷液化ガス)、Dissolved gas (溶解ガス) と、Adsorbed gas (吸着ガス) の5種類に分けています。「高圧ガス」」と言う表現はICAO/IATAでは「ガス類」の5つある輸送形態の一つにしか過ぎません。験日を表示 (記録) することになっていて、以後、Table 200.A ト200.B のTest Period (years) 欄に表示されている試験期間 (5年とか10年) に従って再試験を受けなければならない仕組みになっています。
表200.Bに試験圧力が複数表示されているのは、シリンダーの異なる大きさに対する試験の基準数値を示しているのです。例えば、UN1022 Chlorotrifluoromethane (Refrigerant Gas R13) の試験は10年に1回、シリンダーの1番小さいものは試験圧力 100 bar 充填率 0.83で試験をし、次の大きさのシリンダーは試験圧力120 bar 充填率0.90、次の大きさのシリンダーは試験圧力190 bar 充填率 1.04、1番大きいシリンダーは試験圧力250 bar 充填率1.11で試験をすると言うことです。

(4) 第2分類は航空法や高圧ガス法では「高圧ガス」、ICAO/IATAでは単に “Gases” 「ガス類」と呼ばれています。第2分類はガスの性質で3種類に分かれます。区分2.1引火性ガス、区分2.2非引火性・非毒性ガスと、区分2.3毒性ガスです。ICAO/IATAでは輸送の場合の呼び方として物理的な形態に従って、Compressed gas (圧縮ガス、もしくは高圧ガス)、Liquefied gas (液化ガス)、Refrigerated liquefied gas (冷凍液化ガス、または、深冷液化ガス)、Dissolved gas (溶解ガス) と、Adsorbed gas (吸着ガス) の5種類に分けています。「高圧ガス」」と言う表現はICAO/IATAでは「ガス類」の5つある輸送形態の一つにしか過ぎません。

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