(旅客の手荷物としての燃料電池の質問です。)
Q.
IATA DGR 58版の Table 2.3.A によれば、燃料の入っている燃料電池を預託手荷物に入れるのは禁止となっています。これは印刷間違いでしょうか? 預託手荷物で搬送した方が、機内持ち込み手荷物よりも安全であると知られています。しかも、関連する DGR 2.3.5.10 項を参照しても手荷物輸送に変更はないと思われます。他に関連する記事が無いので困惑しています。 (2016.11.30)
A.
Table 2.3.A は全体の姿を現しています。細かい補足規定は書かれていません。
余計な誌面を取ることなく、簡潔に全体図を現しています。DGR 2.3.5.10 の (f) 項を見てください。 “燃料の入っている燃料電池は機内持ち込み手荷物とでしか認められない” と書かれています。従って Table 2.3.A では “YES” は機内持ち込み手荷物の欄にしかありません。
2016年の第57版では、Table 2.3.Aのキーワードは Fuel cells and spare fuel cartridges になっています。ですから、預託手荷物と機内持ち込み手荷物の両方の欄に YES と入っているのです。2017年の第58版では、キーワードは “Fuel cells のみ”になっているからYES は機内持ち込み手荷物の欄にしかないのです。補足的な項目は外し、簡潔に主体を現したのが Table 2.3.Aです。誤解や誤読を避けています。
2.3.5.10 (e) はスペアの電池に対する補足規定で、“スペアの燃料電池のカートリッジは 2個まで、預託手荷物、機内持ち込み手荷物、或は身に付けて搬送してよい” と記述があります。この補足規定は、誌面の関係と誤解を避けるためTable 2.3.A には記載されていません。
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