(火薬類についてNet QuantityとNet Explosive Massの2つの数量がありますが、何故ですか? 違いを教えてください。)

Q.
第1分類の火薬類には、完成品としての正味重量 (例えば、薬莢は、火薬と薬莢の重量の合計を完成品 (finished product) の正味重量 (net weight) と言う) と、薬莢の目方は除いて、純粋に火薬だけの重量 (どれも同意語であるNEM – Net explosive mass; NEQ – Net explosive quantity; NEW – Net explosive weightと言います) がありますが、何故このように二つの目方があるのか、どちらをどのように書くのか説明してください。 (2012.9.30)
A.
第1分類の火薬類は青いページの危険物リストの各欄の説明であるDGR 4.1.6.8のColumn H、4.1.6.10のColumn J、4.1.6.12のColumn Lの中ほど7行目当たりに書いてあるように、「火薬類の製品やマッチの場合、正味重量 (Net weight) とは包装材料を除く完成品 (finished article) の重量を言う」と定義されています。

弾薬の場合の「完成品」とは火薬を含む薬莢の重量になります。従って、火薬を含む完成品の重量が青いページの制限数量欄の数量と相対しています。それに対し、完成品の中に含まれている火薬のみの重量を正味火薬質量 (Net explosive mass - NEM, net explosive quantity - NEQ, net explosive weight - NEW) と称し、航空以外の輸送モードの場合に使用されています。

その他、貯蔵する時の防災要件、異なった隔離区分の火薬の合計値の算出、緊急事態発生の場合の防災判断などに使われます。航空輸送もNEMの導入を試みたのですが、意見が合わず、航空輸送の場合の申告書は完成品の正味重量 (net weight of finished article) で作成し、正味火薬質量 (NEM) を併記することになっています。これは、2013年も変更ありません。

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