(電動車椅子でリチウム・イオン・バッテリー (200Wh) のものを装着、別にスペア1個を持ち込まれた乗客がいらっしゃいました。規定オーバーですか?)

Q.
先日、電動車椅子でお客様がチェックインカウンターにいらっしゃいました。リチウム・イオン・バッテリー200Wh相当を2つ持っていらっしゃいました。一つは本体に装着、もう一つは予備のものです。DGR 2.3.2.4の規定にはWh表示はなく、予備のバッテリーの規定もありません。 (2012.6.15)
A.
旅客の手荷物関係では車椅子の項が2012年4月26日のAddendum (補追版) で大幅に改訂になりました。1月1日に遡って発効になりましたので、くれぐれも注意してください。Addendumの内、取り扱い規則の変更箇所だけは和訳をしてホームページにトピックスとして掲載してあります。和訳の3ページから4ページに掛けてDGR 2.3.2.4リチウム電池装備の車椅子についての新項目になっています。2.3.2.4の (d) の (5) を見て頂くと、車椅子に装着されているリチウム電池を使用者が自ら取り外しが出来る簡単な構造の車椅子 (折りたたみ式の車椅子が良い例です) に限り、装備されているバッテリーは300Whまで、スペアは (6) に300Whを超えないもの1個、もしくは160Whを超えないもの2個まで機内持ち込みとして許されるとなっています。

車椅子が折りたたみ式構造でなく、かなり大掛かりな構造の車椅子に装着されているバッテリーのワット時は非常に大きなものが使われているのが普通です。障害度の高い方が使用していて、とても自分でバッテリー交換はできないようなものです。このような車椅子のバッテリーのワット時には制限がありません。スペアのバッテリーを普通は持ち運ぶこともありません。どうしてもと言えば、スペアのバッテリーは2.3.3.2に規定されている100Wh以上、但し、160Whを超えないもの2個までを機内持ち込み手荷物と言うことになっていますが、前述のように現実にはバッテリー交換はありません。Addendumの英語の原本はHome Pageに掲載してありますので、ホームページにアクセスされて、ダウンロードしてください。

ご質問のケースは、バッテリーが200Whと大きくなく、折りたたみ式だと推察されますので、バッテリーを外して搬送可能、スペアも機内持ち込み手荷物として搬送可能です。

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