(磁場の強さが低く、4.6mの距離ではコンパスに2度以上の狂いを生じさせない磁性物質の貨物に危険物申告書が付いて来ます。申告書は不要で、間違いだと思います。)

Q.
磁場の強さが弱い磁性物質に危険物申告書が付いて来ます。しかも、発地国政府の許可証も航空会社の所属する国の許可証も付いていません。問い合わせると、申告書が付いていた方が分かりやすいと返答が来ます。規則違反だと思いますが、如何でしょうか? (2011.9.30)
A.
規則違反です。磁性物質で、2.1mの距離において、2度以上のコンパスの狂いを生じさせる最大の磁場を持つが、4.6mの距離では2度以下の狂いを生じさせるものは(4.6mの距離で0.418 A/mもしくは0.00525 Gaussに等しい)、次の規定以外に本規則書の他の要件を満たす必要は無いと規定されています。

a) 荷送人は運航者と磁性物質を確認して事前の連絡をとらなければならない。代替の書類もしくは電子データの中にMagnetized Materialの文言が物件の説明文に関連して記載があれば、危険物申告書は不要である。
b) 包装物には磁性物質取り扱いラベルが貼られていなければならない。
c) 運航者は9.3.11に従って磁性物質を搭載しなければならない、そして
d) 9.6の事故報告書の要件は満たされなければならない。

磁性物質で4.6mの距離で2度以上のコンパスの狂いを生じさせる充分な磁場を有するものは、発地国および運航者の所属する国の然るべき監督官庁の事前の認可があれば輸送して差し支えない。

以上の説明で明らかなように、危険物申告書の付いている磁性物質は 『4.6mの距離で2度以上のコンパスの狂いを生じさせる充分な磁場を有する』 ものであると認識せざるを得ません。そして、発地国および運航者の所属する国の然るべき監督官庁の事前の認可が無ければ輸送してはいけません。

従って磁場が弱く、申告書の不要な磁性物質の貨物に申告書を付けてはなりません。申告書が付いているという事は磁場が強く、発地国と航空会社の所属国の許可も付いていなければならないのです。

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